2011年9月7日水曜日

INSEADの卒業生は結束が固い

どのビジネススクールでも、受験の為に説明会に行くと「○○,○○○人の卒業生ネットワーク」ということが、その学校の売りとして出てくると思います。が、それがどんな風に生かせるのか、具体的なイメージまで湧くことはないでしょう。

INSEADもそんな学校の一つと思いますが、ここでは、私が真に感じたINSEAD卒業生のネットワークのすごさをお伝えしたいと思います。

まずは、就職活動の際の助け合い。INSEAD.Connectという卒業生用のオンラインコミュニティがあり、これまでの卒業生が、居住国、現在勤めている会社や連絡先等を登録しています。そこには、現役の学生も入ることができ、就職先として応募したい企業に勤めている人を抽出することができます。私の場合は、とある企業に応募した時に、その企業に勤めている人にコンタクトし、実際に会わせてもらったり、電話で話したり、メールのやり取りをするなどして、企業風土や面接への率直なアドバイスをもらうことができました。また、社内の同僚に面接官のバックグラウンドを聞いてくれたりして、本当に役立ちました。見ず知らずの学生からの突然の連絡にも、「INSEADだから」という唯一の理由で、こんなに親身におつき合いいただいたのです。

そして、日本でのINSEADのアルムナイの交流もこれまたすごい。2ヶ月に一回、同窓会があるのですが、必ず、最低20〜30人は集まります。年に一度のクリスマス会ともなると、200人は超える参加者。もちろん、人脈作りやなつかしい同級生に会うというのもメリットですが、INSEADだと、さらにひと味加わるのです。INSEADの卒業生は起業家が多いのですが、日本でも例に漏れず、こうした集まりにいくと、そのビジネスはこうだ、ああだ、人材はこうした方がいいああした方がいい、とありとあらゆるアイディア、意見が活発に交換されています。実は他のビジネススクールの同窓会にも参加したことがあるのですが、参加人数、その場の雰囲気ともに少し控えめな感じで寂しく感じたものです。INSEADって本当にすごいんだ!と実感しました。

INSEADの結束の固さを最も感じたのは今回の東日本大震災の時です。地震発生後すぐに、日本人のINSEAD現役生で話し合いを進め、校内で義援金を募ることを決めました。事務局(MBA Programme Management)、就職課(Career Service)のいち早い理解を得ることができ、数日で募金サイトを立ち上げました。その後、世界中のアルムナイにメールを送ると、たった2週間程で、446名もの異なる卒業年のアルムナイから、50,000ユーロを超えるお金が集まったのです! (中には一人で1,000ユーロ募金して下さるアルムナイもいたりして、びっくり!!)史上最悪の事態となった今回の大震災の危機的状況にすみやかな理解をし、社会的責任に基づいて迅速に行動を起こす、というINSEADイズムのようなものを感じ取りました。

しかしINSEADの結束が固いのは何故なんでしょう?
まったくの私見となりますが、INSEADではみんなが「外人」であり、学校生活だけでなく私生活をも助け合いながら10ヶ月間をみっちり過ごす、というのが根底にあると思います。フォンテーヌブローもシンガポールも小さな町ですが、住むという意味でははじめてという人がほとんどです。「外人」として、言葉もしゃべれないし、町のことは最初は何も知らない訳ですから、みんなが情報を交換しないと生きていけないのです。たとえば、不動産、日用品買い物、レストラン、イベントなどの情報等です。しっかりと社交の輪の中に入っていないとこうした情報を入手することはできず、一方で輪に入れば、情報交換だけではなく旅行等いろいろな行動を共にしていき、学校生活での助け合いも進みます。こうしていくうちに、INSEADとしての絆が深まっていくのです。

私が本当に誇りに感じているINSEADの一面でした。

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